泳ぐ日と筋トレの日をどう組む?|練習予定の考え方
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- — 水泳と筋トレの予定づくりを3段階の読み方で整理し、計画と振り返りの手順を示す図解を追加
水泳も筋トレも続けたい。でも、予定を詰め込むと、大切な練習の日に疲れが残ってしまう。そんなときは、まず「今週、泳ぎで何を確かめたいか」を決め、筋トレを置く日と、その後の体の様子を一緒に見直してみましょう。
この記事では、泳ぐ練習と筋トレの予定を考える手順を紹介します。研究で調べた選手の条件と、日常の練習で試す工夫を分けて読み進められます。
基本 大切な練習から予定を決める
「水泳が先」「筋トレが先」と、全員に同じ順番を当てはめる答えは、今回確認した研究からは決められません。順序を扱った総説
予定を立てるときは、次の3つを順に考えてみましょう。
まず泳ぎの目標を一つ選ぶ
「コーチにフォームを見てもらう」「決めたペースを保てるか確かめる」など、その週に大切にしたい練習を選びます。ほかの予定と同じように、先に予定表へ入れましょう。
筋トレをする日を置く
泳ぐ日と分けられるか、同じ日にまとめる必要があるかを考えます。同じ日に行う場合は、前半だけでなく後半の練習まで、予定した動きができそうかを確認します。
「同じ日だから悪い」「別の日なら疲れが残らない」と、日付だけでは決めません。実際の練習の様子も見ていきます。
終わったあとに振り返る
ノートには「何をしたか」「いつもよりきつかったか」「泳ぎで確かめたいことができたか」を短く残します。筋トレの予定を変えるときは、曜日や種目数など、まず一つの変更から振り返ると整理しやすくなります。
例えば、木曜日にフォームを見てもらう予定があるのに、前夜の筋トレのあと、いつも腕が重くなるとします。この場合は、前夜の筋トレを別の日に移す案を考え、木曜日の練習がどう変わるかを記録できます。これは考え方の例で、全員向けの時間割ではありません。
図では「大切な練習を決める → 筋トレの予定を組む → 疲れと泳ぎを確かめる」という流れを示します。
研究の多くは若い競泳選手を対象にしています。マスターズの方に、その回数や重さをそのまま当てはめることはできません。研究対象の確認
具体的な予定の考え方は「標準」、研究の詳しい条件は「研究」で説明します。
標準 水泳と筋トレの予定を調整する
泳ぐ日と筋トレの日を組むときは、「今週の水泳で達成したいこと」「筋トレの内容」「次の練習までの時間」を並べて考えてみましょう。順番だけを決めても、実際の練習が予定どおり進むとは限りません。
競泳選手を対象とした研究のまとめでは、水泳に筋力トレーニングを組み合わせ、泳ぐ記録が改善した試験があります。ただし、これは誰にでも同じ量や曜日を勧める根拠ではありません。FACT 筋力トレーニングの総説
何を優先したい日かを決める
水泳にも、フォームを確かめる日、速さを意識する日、長く泳ぐ日などがあります。筋トレも、取り組む種目や重さ、繰り返す回数によって内容が変わります。
予定表には、運動の名前に加えて目的を書いてみましょう。「水泳」とだけ書くより、「コーチに呼吸の動きを見てもらう」と書くほうが、その日に残しておきたい練習がわかります。
生活に合う配置を選ぶ
以下は予定を考えるための選択肢です。効果が証明された優劣表ではありません。
| 自分の状況 | 予定を考えるときの案 | 実際に確かめること |
|---|---|---|
| 泳ぐ日と筋トレの日を分けられる | 大切な水泳練習を先に入れ、その前後を見て筋トレの日を決める | 別の日にしても疲れが残っていないか |
| 同じ日にまとめたい | 水泳と筋トレのそれぞれの目的を書き、順番と間の時間を考える | 後半も予定した練習ができたか |
| 筋トレの翌日の泳ぎが重い | 筋トレをする日、種目数などから、まず一つ変更する案を選ぶ | 次の水泳で、同じような重さを感じるか |
| 仕事や家庭の予定で余裕が少ない | 今週優先する練習と、見送る練習を分けて書く | 全部を詰め込まずに続けられるか |
水泳を優先したい日に先に泳ぐ、筋トレに集中したい日に別の枠を確保する、といった考え方は、目的に合わせた予定づくりの工夫です。「この順番なら速くなる」と証明された処方としては扱いません。
何時間空けるかは数字だけで決めない
同日併用を扱った2022年の総説では、練習の内容と間の回復時間が検討されていますが、競泳選手で二つの順序を直接比べた研究は不足していました。掲載された時間を、そのまま全員の必要時間にはできません。FACT 同日併用の総説
自分の予定を考える際は、開始・終了時刻と、何を行うかをセットで書きます。例えば「筋トレのあとに泳ぐ」という予定でも、その水泳がフォーム確認なのか、速く泳ぐ練習なのかを区別しておきます。
疲れと泳ぎを短く記録する
次の表は記録方法の例です。「いつもどおり」「重い」など、自分の言葉で構いません。研究用の点数や、運動してよいかを判定する検査ではありません。
| 日付 | 行った練習と開始・終了時刻 | いつもとの違い | 水泳で確かめたいことはできたか | 次に変えること |
|---|---|---|---|---|
| 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 |
一度うまく泳げなかっただけで、原因を筋トレに決めつけないようにします。睡眠や仕事の忙しさなど、普段と違ったこともメモに残すと、次に相談・検討する材料になります。
例えば「木曜日はフォーム確認」「水曜日の筋トレ後は腕が重くなりやすい」という記録があるなら、筋トレを別の日に置く案を選び、次の木曜日を振り返れます。変更した点と、その後の様子を一緒に残すことが大切です。
FAQ
同じ日に行うのは避けるべきですか。
同じ日に行った研究もあります。大切なのは、曜日の組み合わせだけで良し悪しを決めず、目的に合う練習ができたかを見ることです。強い疲れがある日にも、予定どおり全部をこなすことを勧める記事ではありません。
翌日も泳ぐなら、筋トレは必ず休むべきですか。
筋トレの内容も、翌日の水泳の目的も違うため、一律の答えは出せません。「翌日に泳ぐ」という情報に、筋トレの内容と自分の記録を加えて考えます。
試合前も同じ考え方でよいですか。
普段の予定づくりと、試合に向けた調整は分けて考えます。試合前の練習量については、テーパリングの記事へ進んでください。
筋トレの種類や役割を知りたい場合は、陸上トレーニングの総合記事で確認できます。
研究 順番と回復時間についてどこまでわかるか
水泳と筋トレの組み合わせには、別々に考えたい二つの問いがあります。一つは「その日や翌日の泳ぎにどんな影響が出るか」、もう一つは「何週間も続けた結果、泳ぐ記録がどう変わるか」です。前者を急性の影響、後者を長期的な適応と呼びます。
研究を読んで予定を立てるときは、誰を調べたか、何と比べたか、どの時間幅を調べたかを確認します。そのうえで、日程を仮に組み、実際の練習を記録して調整します。
筋トレを加える研究と順序を比べる研究は違う
2022年の系統的レビューは27研究を整理しています。対象は主に若い競泳選手で、選定基準でマスターズ選手を除外しています。したがって、マスターズ向けの回復時間をこの研究から直接決めることはできません。FACT 筋力トレーニングの系統的レビュー
同年の順序を扱った総説は、同じ日の「筋トレ→水泳」と「水泳→筋トレ」を検討しています。ただし、競泳選手で両者を直接比較する試験の不足を明記しています。別々の試験で改善が見られたことを、二つの順番の効果が同じだと証明した結果には置き換えられません。FACT 順序の総説 第3.3節・第4.3節
翌朝の記録が変わらなかった試験をどう読むか
2023年の試験では、競泳選手8人が、2種類の筋トレと筋トレなしの条件を経験しました。各条件のあとには水泳練習があり、翌朝の100mクロールを比較しています。100mのタイムには条件間の統計的な差が検出されず、重い負荷の条件では上半身の投てきテストの値が対照より低くなりました。FACT 翌朝の影響を調べた試験
これは小規模で特定の内容を調べた試験です。「12時間空ければ誰でも回復する」「試合前夜に筋トレをしてよい」とは一般化しません。差が検出されないことは、あらゆる影響がないと証明することでもありません。
新しい研究のまとめでも曜日は決まらない
2024年のメタ分析は13研究・267人を対象とし、25〜200mのクロールで筋力トレーニングの効果を検討しました。一方、筋トレの量や方法ごとの研究不足を認めており、個人の曜日配置や必要な回復時間を決める分析ではありません。FACT 2024年のメタ分析
また、複数の総説には同じ元の試験が含まれることがあります。総説の数を、そのまま独立した実験の数として数えないようにします。
自分の計画へ取り入れる順番
ここからは、研究結果を参考に予定を整理するための実践案です。
- 目的を書く。 水泳と筋トレ、それぞれで何を確かめたいかを言葉にします。
- 予定を置く。 大切な水泳練習と生活の予定を先に確認し、筋トレの枠を考えます。
- 内容と間隔を記録する。 開始・終了時刻に加え、実施した内容を残します。
- 泳ぎを振り返る。 予定した動きやペースを確認できたかを書きます。
- 変更点を絞る。 日程や内容のうち一つを変える案を選び、次の結果を振り返ります。
この記録は、生活に合った計画を考えたり、指導者へ相談したりするためのものです。自分の前後の記録だけでは、睡眠や練習への慣れなどの影響を分けきれず、変更の効果を科学的に証明することはできません。
日常の泳者向けに提案できるのは、万能の時間割を配ることよりも、目的・実施内容・次の練習の様子をつなげて考える手順です。筋トレの種目は陸上トレーニングの記事、試合に向けた調整はテーパリングの記事を参照してください。
参考文献
- Fone L, van den Tillaar R. 競泳の筋力トレーニング方法を整理した系統的レビュー。Sports Medicine Open. 2022;8:19. DOI 10.1186/s40798-022-00410-5
- Arsoniadis G, et al. 筋トレと水泳の同日併用による短期・長期の影響を整理した総説。Sports. 2022;10(3):29. DOI 10.3390/sports10030029
- Tsoltos A, et al. 陸上での筋トレ後、翌朝の泳ぎへの影響を調べた試験。Journal of Functional Morphology and Kinesiology. 2023;8(3):87. DOI 10.3390/jfmk8030087
- Jin G, et al. 競泳の筋力トレーニング方法とクロールの成績を分析した系統的レビュー・メタ分析。Frontiers in Physiology. 2024;15:1406518. DOI 10.3389/fphys.2024.1406518