クロールの息継ぎが苦しい原因と直し方|吐けない・顔の上げすぎを改善
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水中で息を吐く
よくあるつまずき
息を止めてしまう人が多いです。声に出して「ンー」と言うと吐きやすくなります。
顔を横に向けて吸う
よくあるつまずき
顔を上げすぎて体が沈むなら、片目だけ水から出す意識で。大きく吸う必要はありません。
板キックで呼吸リズムを続ける
よくあるつまずき
呼吸が遅れる場合は、体の回転に合わせて顔を横へ向けるリズムを意識します。
順番に試して、できたら標準モードで原因を詳しく確認してみましょう。
息継ぎが苦しい3つの原因
※以下の順番は重要度の順位ではありません。複数が重なって苦しさにつながります。
- 水中で息を吐けていない — 顔を上げて吐く+吸うの2動作は時間が足りない
- 顔を上げすぎている — 頭が上がると腰が沈み、抵抗が急増する
- 呼吸のタイミングが遅い — 体の回転に合わせて顔を横に向けられていない
顔を上げると腰が沈む仕組みは、足が沈む原因と直し方と同じです。あわせて確認すると理解が深まります。
楽な息継ぎを身につける4ステップ
ステップ1:陸上で呼吸リズムを練習
立った状態で顔を横に向けて「パッ」と吸う → 正面に戻しながら「ンー」と吐く。10回×左右。
ステップ2:壁持ちバブリング
壁を持って顔を水につけ、鼻から泡を3〜5秒出し続ける → 横を向いて「パッ」と吸う。10回×3セット。泡を途切れさせないことがポイントです。
ステップ3:板キック+片側呼吸
ビート板キックで進みながら、3〜5秒ごとに顔を横に上げて呼吸。12.5mを安定して。
ステップ4:片手クロール+呼吸
片手だけでストローク。体の回転に合わせて横を向いて呼吸します。12.5mずつ左右入れ替え。
セルフチェック
- □ 泡が途切れる → ステップ2から
- □ 顔を上げると沈む → 横に向ける練習
- □ 吸う時間が足りない → 吐ききる練習
- □ 3〜4ストロークで苦しい → 板キック+呼吸で基礎固め
関連記事
- 足が沈む原因と直し方 — 顔を上げると腰が沈むのと同じ仕組みを詳しく
- 25m が泳げないときの原因 — まず25mを泳ぎきるための入口
- クロールを速くする科学 — 呼吸を含めた泳ぎ全体の最適化へ
FAQ
Q. 鼻から水が入って痛いです
吐き続けている限り入りません。痛いのは息を止めた瞬間です。「ンー」と音を出すくらいの強さで。
Q. 何ストロークに1回呼吸すればいいですか?
初心者は2ストロークに1回(片側)が安定します。慣れたら3回に1回(左右交互)に挑戦。
Q. お風呂でも練習できますか?
はい。鼻から泡を出すバブリングは毎日の入浴で練習できます。
Q. 子どもが怖がります
「泡をたくさん出すゲーム」で水中に顔をつける恐怖を減らしてから進めましょう。
結論:息継ぎが苦しい主な原因の一つは「水中で息を吐けていない」こと
クロールの息継ぎが苦しい原因として、水中で息を吐ききれていないことが大きく関わっています。OPINION 顔を上げたときに「吐く+吸う」の2動作をしようとするため、時間が足りず慌ててしまいます。吸気量を確保できないことが苦しさにつながるという整理は指導現場で広く共有されていますが、「最大の原因」と順位づけする定量的な裏付けは現時点で確認できていません。
水中でしっかり吐ききる → 顔を上げたら吸うだけ。 これが楽な息継ぎの原則です。
息継ぎが苦しい3つの原因
※以下の順番は重要度の順位ではありません。複数の要因が重なって苦しさにつながるため、結論で述べたとおり「主な原因の一つ」として捉えてください。
1. 水中で息を吐けていない
FACT 水中で鼻から「ンー」と息を吐き続けることをバブリングと呼びます。これができていないと、顔を上げた瞬間にまず息を吐く必要があり、吸う時間が極端に短くなります。結果として「慌てて吸う → 水を飲む → さらに焦る」の悪循環に陥ります。
チェック方法: 壁につかまった状態で顔を水につけ、鼻から泡を出し続けられるか確認してください。泡が途切れるなら、息を止めている証拠です。
2. 顔を上げすぎている
FACT 呼吸時に顔を正面に持ち上げると、頭の重さで腰が沈み、水の抵抗が急増します。体全体が斜めになるため、次のストロークでバランスを崩して苦しくなります。腰が沈む仕組みの詳細は足が沈む原因と直し方で解説しています。
正しい呼吸: FACTCLM-034 頭を引き上げるのではなく、体のローリング(回旋=体を左右に傾ける回転)に合わせて顔を横に向けるのが基本です。ローリングは推進力の向上と呼吸のしやすさの両方に寄与するとされています。片目が水中・片目が水上になる程度に横を向くだけで十分で、頭全体を持ち上げる必要はありません。天井や正面ではなく、横の壁が見える向きが理想です。
3. 呼吸のタイミングが遅い
OPINION 手が水に入る瞬間に顔を戻す意識だと、呼吸時間が短すぎます。体の回転に合わせて早めに顔を横へ向け始めると、余裕を持って吸えます。OPINION 「反対側の手が太ももを通過する頃に顔を向け始める」という目安もありますが、指導者によって表現が異なるため、まずは体の回転と呼吸を連動させる感覚をつかむことを優先してください。
楽な息継ぎを身につける4ステップ
ステップ1:陸上で呼吸リズムを練習
- 立った状態で顔を右に向ける
- 正面に戻しながら「ンー」と鼻から吐く
- 再び右を向いた瞬間に「パッ」と口で吸う
- 10回繰り返し、左右交互にも練習する
OPINION 水に入る前に陸上でリズムを体に覚えさせると、水中でパニックになりにくくなります。
ステップ2:壁持ちバブリング
- プールの壁を両手で持つ
- 顔を水につけて、鼻から泡を出し続ける(3〜5秒)
- 顔を横に上げて「パッ」と口で吸う
- 繰り返し10回×3セット
ポイント: 泡を途切れさせないこと。「ンーーーーー」と一定の量を出し続けます。
ステップ3:板キック+片側呼吸
- ビート板を持ってキックで進む
- 3〜5秒ごとに顔を横に上げて呼吸する
- 顔を水につけている間は鼻から吐き続ける
- 12.5mを安定して泳げるまで繰り返す
FACT 板キックで呼吸が安定すれば、クロールに移行しても同じリズムを維持できます。いきなりクロールで呼吸練習するよりも、段階を分けたほうが習得が早いです。
ステップ4:片手クロール+呼吸
- 右手を前に伸ばしたまま、左手だけでストローク
- 体の回転に合わせて右側を向いて呼吸する
- 12.5mずつ左右入れ替え
- 安定したら両手のクロールに移行
よくある勘違い
「大きく吸えば楽になる」は逆効果
OPINION 大きく吸おうとして口を大きく開けると、顔を上げる時間が長くなり、体のバランスが崩れます。息継ぎは大きく吸いすぎず、小さく素早く吸うのが効率的だとされています。吐ききることが先で、吸うのは少量でOKという意識が大切です。
「息を止めておいて一気に吐いて吸う」は苦しくなる
FACT 水中で息を止めると、体内に二酸化炭素が溜まり、「息をしたい」という感覚(呼吸欲求)が強まって苦しさが増します。少しずつ吐き続けることで、顔を上げたときにスムーズに吸えます。
注意: ここで言う「水中で吐き続ける」ことと、「潜水前に何度も大きく呼吸して息こらえを長くする(過呼吸)」ことは正反対の行為です。過呼吸は苦しさの合図を遅らせてしまい、意識を失う危険があります(後述「安全上の注意」を参照)。
「左右交互に呼吸しないといけない」は必須ではない
OPINION 両側呼吸(バイラテラルブリージング)はバランスの良い泳ぎにつながりますが、初心者が最初に覚えるべきは「片側で安定して呼吸できること」です。まず得意な側で確実にできるようになってから、反対側を練習しましょう。
息継ぎの苦しさセルフチェック
以下に当てはまるものをチェックしてみてください。
- □ 水中で泡を出し続けられない → ステップ2から練習
- □ 顔を上げると体が沈む → 顔を横に向ける(上げない)練習
- □ 吸う時間が足りない → 水中で吐ききる練習
- □ 水を飲んでしまう → 口を「パッ」と開ける瞬間だけ吸う練習
- □ 3〜4ストロークで苦しくなる → 板キック+呼吸で基礎固め
安全上の注意
練習は必ず安全な環境で行ってください。
- 監視員がいるプールで練習すること。1人では行わないこと
- 息苦しさが強い場合は無理をせず休むこと
- 過呼吸の症状(手足のしびれ・めまい)を感じたらすぐに練習を中止すること
- 持病がある場合は事前に医師に相談すること
潜水前の過呼吸や長時間の水中息こらえは避けてください。 CDC(米国疾病予防管理センター)、米国赤十字、YMCA of the USA、USA Swimming などは、泳ぐ前に何度も大きく呼吸してから長く息を止める行為(過呼吸を伴う息こらえ)が、意識を失って溺れる危険(ハイポキシック/シャローウォーターブラックアウト)につながると注意喚起しています。これは本記事ですすめる「水中で少しずつ吐き続ける」こととは正反対の危険な行為です。息こらえを競うような練習はしないでください。
関連記事
- 足が沈む原因と直し方 — 顔を上げると腰が沈むのと同じ仕組みを詳しく
- 25m が泳げないときの原因 — まず25mを泳ぎきるための入口
- クロールを速くする科学 — 呼吸を含めた泳ぎ全体の最適化へ(研究志向の方の次の一歩)
FAQ
Q. 鼻から水が入って痛いです
鼻から吐き続けている限り、水は入りません。痛みを感じるのは息を止めた瞬間に水圧で水が入っているためです。「ンー」と音を出すくらいの強さで吐き続けてみてください。
Q. 何ストロークに1回呼吸すればいいですか?
初心者は2ストロークに1回(毎回同じ側で呼吸)が安定しやすいです。慣れてきたら3ストロークに1回(左右交互)に挑戦しましょう。レースでは2回に1回が一般的です。
Q. シュノーケルを使った練習は効果がありますか?
はい。センターシュノーケルを使うと呼吸動作を排除できるため、ストロークとキックのフォームに集中できます。ただし、シュノーケルに頼りすぎず、外した状態での呼吸練習も並行して行いましょう。
Q. 息継ぎの練習はお風呂でもできますか?
顔を水につけて鼻から泡を出す練習(バブリング)はお風呂でもできます。毎日の入浴時に10回練習するだけで、水中で息を吐く感覚が身につきます。
Q. 子どもが息継ぎを怖がります
水中で息を吐く練習を、遊びの要素を入れて行いましょう。「泡をたくさん出すゲーム」「水中じゃんけん」などで水中に顔をつけることへの恐怖を減らしてから、呼吸練習に進むのが効果的です。なお、息を止める時間を競うような遊びは危険なので避けてください。
参考文献・根拠
| # | 種別 | 出典 | 取得日 | Claim |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 指導サイト | U.S. Masters Swimming: Freestyle Swimming — The Complete Guide | 2026-02-18 | CLM-034 |
| 2 | 指導サイト | U.S. Masters Swimming(Andrew Sheaff): Freestyle Breathing | 2026-06-03 | CLM-180 / CLM-182 / CLM-184 / CLM-185 |
| 3 | 公的機関 | CDC: Preventing Drowning(溺水予防) | 2026-06-03 | CLM-183 |
| 4 | 査読相当文献 | MMWR / CDC: Dangerous Underwater Breath-Holding Behaviors(New York State, 1988–2011) | 2026-06-03 | CLM-181 / CLM-183 |
| 5 | 医療リファレンス | StatPearls: Shallow Water Blackout | 2026-06-03 | CLM-181 / CLM-183 |
| 6 | 共同声明 | American Red Cross; YMCA of the USA; USA Swimming: Joint Statement on Hypoxic Blackout(2022) | 2026-06-03 | CLM-183 |