水泳用語集
競泳・練習・用具・ルールなど、水泳に関する90語以上の専門用語を五十音順で解説します。
か
- 回復走 (かいふくそう) recovery pace
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疲労回復を目的としたゆったりとした強度で泳ぐこと。心拍数を下げ、乳酸の除去を促しながらフォームを整える。
- カウント (かうんと) stroke count
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背泳ぎでフラッグから壁までに必要なストローク数。事前に自分の回数を把握しておくとターンで壁にぶつかるのを防げる。
- ×(本数×距離) (かける) times (repetitions × distance)
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「4×100」は100mを4本の意味。左が本数で右が距離。日本語では4本の100mと読む。
- 加速局面 (かそくきょくめん) acceleration phase
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ストローク中にプルからプッシュへ移行し、手の速度と推進力が最大になる区間。
- 片側呼吸 (かたがわこきゅう) unilateral breathing
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常に左右どちらか片側だけで呼吸するパターン。呼吸頻度を上げやすいがストロークの左右差が出やすい。
- 片手キックバタ (かたてきっくばた) one-arm fly with kick
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片手ストロークでドルフィンキックのタイミングを合わせるドリル。キックと波のうねりの連動を体に覚え込ませる。
- 片手クロール (かたてくろーる) one-arm freestyle
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片腕だけでクロールを行うドリル。もう一方の手は前方または体側に固定し、キャッチやローリングの感覚を意識する。
- 片手バタ (かたてばた) one-arm fly
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片腕だけでバタフライ動作を行うドリル。もう一方の手は前に伸ばし、キャッチとキックの連動を意識する。
- 肩の痛み (かたのいたみ) shoulder pain
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ストロークの反復動作で肩関節やその周囲に痛みが出る状態。フォームの癖や練習量の急増が原因になりやすい。
- 肩のローテーション (かたのろーてーしょん) shoulder rotation
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肩を前後に回しながらストロークすることで可動域を広げる動き。力みを減らし、滑らかなリカバリーにつながる。
- 課題設定 (かだいせってい) problem setting
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泳ぎの中で改善すべき課題を具体的に特定すること。漠然と「速くなりたい」ではなく「キャッチで肘が落ちる」のように絞り込む。
- 滑走抵抗 (かっそうていこう) friction drag
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水と体の表面が擦れることで生じる抵抗。体毛の剃毛やレーシングスーツの着用で軽減できる。
- 壁蹴り角度 (かべけりかく) push-off angle
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壁を蹴って進む方向の角度。水面に向かって上過ぎると早く浮上し過ぎ、下過ぎると浮き上がりに時間がかかる。
- カレント (かれんと) current
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海や湖の潮の流れ。泳ぐ方向と流れの関係でタイムや体力消費が大きく変わるため、事前の把握が重要。
- 合算年齢リレー (がっさんねんれいりれー) combined age relay
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リレー4名の暦年齢合計で区分されるマスターズ独自のリレー形式。72〜119歳から360歳以上まで段階的に設定。
き
- 棄権 (きけん) scratch
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エントリーした種目に出場しないこと。棄権届の提出が必要な大会もあり、無届け棄権はペナルティの対象になる場合がある。
- 棄権届 (きけんとどけ) scratch form
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エントリー済みの種目を棄権する際に提出する書類。大会ごとに提出期限やフォーマットが定められている。
- キック (きっく) kick
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脚で水を打って推進力や姿勢維持を得る動作。泳法ごとにバタ足・ドルフィン・カエル足など形が異なる。
- キックチューブ (きっくちゅーぶ) ankle band
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足首を固定してキックを封じるための用具。プルの練習でキックに頼らず上半身の推進力だけで泳ぐ際に使う。
- キックテンポ (きっくてんぽ) kick tempo
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キックを打つ速さ。速いテンポはスプリント向き、遅いテンポは長距離で脚の疲労を抑えるために使う。
- キックの浮き (きっくのうき) kick buoyancy
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キック動作によって脚が浮いたり沈んだりする状態。脚が沈むと抵抗が増し、適切なキックで脚を水面近くに保つ。
- キックの内締め (きっくのうちじめ) snap
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キックの最後に両脚を素早くパチンと閉じる動作。内締めのスピードが速いほど強い推進力が生まれる。
- キックの音 (きっくのおと) kick noise
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キックの際に生じる水の音。バシャバシャと大きな音が出ている場合は脚が水面を叩いていて効率が悪い可能性がある。
- キックの水面割れ (きっくのすいめんわれ) break surface
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キック時に足が水面を大きく割ってしまう状態。水面を蹴ると推進力にならず、しぶきで抵抗も増える。
- キックの縦幅 (きっくのたてはば) kick amplitude
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キックの上下動の大きさ。振り幅が大き過ぎると脚が水面から出て空を蹴り、抵抗も増えて効率が落ちる。
- キックの抜け (きっくのぬけ) kick slip
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平泳ぎのキックで足裏が水を捉えられず空振りする状態。足首の柔軟性不足や引き付け方の癖が原因のことが多い。
- キックの幅 (きっくのはば) kick width
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平泳ぎのキックで脚を開く幅。広過ぎると抵抗が増え、狭過ぎると水を蹴る面積が足りず推進力が弱くなる。
- キックの引き付け (きっくのひきつけ) heel recovery
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平泳ぎのキック準備でかかとをお尻に引き付ける動作。膝を前に出さず、かかとだけを引くと抵抗を減らせる。
- キックボード (きっくぼーど) kickboard
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キック練習で上半身を支えるための浮き板。ビート板と同じもので、英語由来の呼び方。
- キャッチ (きゃっち) catch
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手と前腕で水を捉え始める局面。肘を高く保ちながら手のひらで水圧を感じることが効率的な推進の鍵。
- キャッチアップ (きゃっちあっぷ) catch-up drill
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前方で両手が揃ってから次のストロークを始めるドリル。ゆっくりしたリズムでキャッチの形を丁寧に確認できる。
- キャッチの圧力 (きゃっちのあつりょく) catch pressure
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キャッチ時に手・前腕へかかる圧力(=水圧)。圧が抜けると水を逃しやすく、推進力が落ちる。
- キャッチの内側 (きゃっちのうちがわ) inside catch
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キャッチで手が内側に入り過ぎて水を逃がす癖。クロスオーバーと同様に蛇行の原因になりやすい。
- キャッチの外側 (きゃっちのそとがわ) wide catch
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手が外側に逸れて水を捉えきれないキャッチの癖。推進に使えない方向に力が逃げてしまい効率が落ちる。
- キャッチの早さ (きゃっちのはやさ) early catch
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入水後できるだけ早いタイミングで水を捉え始めること。グライドを短くしてすぐキャッチに入るスプリント向きの技術。
- キャッチの深さ (きゃっちのふかさ) catch depth
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キャッチで手を入れる深さ。浅過ぎると水を捉えにくく、深過ぎると肩に負担がかかり姿勢が崩れる。
- 給水所 (きゅうすいしょ) feed station
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オープンウォーターの長距離レースで選手にドリンクや補給食を渡す場所。コース上の所定位置に設けられる。
- キュー (きゅー) cue
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動作の要点を短い言葉で伝える指導法。「肘を立てて」「胸を押して」など、泳ぎながらでも意識できる言葉を使う。
- 競泳用水着 (きょうえいようみずぎ) racing suit
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大会で着用する高機能な水着。体にぴったりフィットして水の抵抗を減らす設計で、素材や形状に規定がある。
- 記録員 (きろくいん) recorder
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競技の結果・タイム・失格情報を記録し集計・速報として出力する大会運営スタッフ。
- 記録会 (きろくかい) time trial meet
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順位よりも記録測定を主目的とした大会。公認記録の取得やベストタイム更新を狙って参加することが多い。
- 期分け (きわけ) periodization
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シーズンを準備期・鍛錬期・試合期・移行期などの段階に分け、練習の量と強度を計画的に変化させる手法。
- 緊張 (きんちょう) nerves
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試合前に感じる緊張や不安。適度な緊張はパフォーマンスを高めるが、過度になると体が固まりタイムに影響する。
- 筋トレ (きんとれ) strength training
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自重やウェイトを使って筋力を高めるトレーニング。水泳ではプルの筋力やキックの爆発力の強化に用いられる。
- ギャロップストローク (ぎゃろっぷすとろーく) gallop stroke
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左右のストロークタイミングを非対称にする泳法。片腕が先行しもう片腕が素早く追うリズム。
く
- 口から吐く (くちからはく) exhale through mouth
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口から息を吐く呼吸法。肺の空気を素早く大量に出せるため、激しい泳ぎでの呼吸に向いている。
- クロスオーバー (くろすおーばー) cross-over
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入水時に手が頭の中心線を越えて反対側に入ってしまう動き。蛇行の原因になり、肩を痛めるリスクもある。
- クロスオーバーターン (くろすおーばーたーん) crossover turn
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個人メドレーの背泳ぎから平泳ぎへの切り替え時に行うターン。仰向けから素早くうつ伏せに回転して壁を蹴る。
- クロール (くろーる) front crawl
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左右交互の腕かきとバタ足で進む泳法。最も速い泳ぎ方で、自由形種目ではほぼ全選手がこの泳法を選ぶ。
- クールダウン (くーるだうん) cool-down
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練習後に軽い泳ぎで体をほぐし、疲労物質の排出を促す回復セット。翌日の練習に向けたリカバリーの第一歩。
- グライド (ぐらいど) glide
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ストロークの合間に体を伸ばし、水の抵抗が少ない姿勢で滑るように進む局面。推進力を無駄なく活かす。
- グライド感 (ぐらいどかん) glide feel
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水の中を滑るように進む感覚。抵抗が少ない姿勢で伸びたときに感じる心地良い推進を指す。
- グライドし過ぎ (ぐらいどしすぎ) over-glide
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グライドが長過ぎて速度が落ちてしまう状態。伸びの心地良さで減速に気づきにくいため、タイムで確認する。
- グライド時間 (ぐらいどじかん) glide time
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平泳ぎで体を伸ばして滑っている時間の長さ。距離あたりのタイムを見ながら最適な伸びの長さを見つける。
- グライド長 (ぐらいどちょう) glide length
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ストローク後に体が伸びて滑る距離。長過ぎると減速するが、短過ぎるとテンポが上がり過ぎて疲労する。
- グラブスタート (ぐらぶすたーと) grab start
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両足を前に揃えてスタート台の前縁を両手で掴む構えのスタート。かつては主流だったが、現在はトラックスタートが多い。
- グローブ (ぐろーぶ) swim gloves
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手に装着して水中の抵抗を増やす練習用手袋。パドルより負荷は小さいが、手全体で水を捉える感覚を養える。
け
- 計時 (けいじ) timing
-
レースでのタイムを正確に計測すること。自動計時(タッチ板)と手動計時(ストップウォッチ)の2方式がある。
- 計時員 (けいじいん) timekeeper
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スタート合図と同時に計時を開始しゴールタッチ時に停止する手動計時担当の競技役員。
- 計時システム (けいじしすてむ) timing system
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タッチパッド・スタート信号・電光掲示板を連動させてレースタイムを計測する装置一式。
- 形状抵抗 (けいじょうていこう) form drag
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水中での体の形や姿勢が原因で生じる抵抗。前面の投影面積が大きいほど抵抗が増すため、姿勢の改善が重要。
- 決勝 (けっしょう) final
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最終順位を決定するレース。予選やセミファイナルを勝ち抜いた上位選手で行われる。
- 血中乳酸濃度 (けっちゅうにゅうさんのうど) blood lactate concentration
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血液中の乳酸量を示す値。トレーニング強度や疲労度を客観的に評価する生理学的指標。
- 蹴り上げ (けりあげ) upbeat
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キックで脚を上に戻す動作。次のダウンキックの準備局面だが、太ももの裏で水を押す意識も持てると推進に貢献する。
- 蹴り下ろし (けりおろし) downbeat
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キックで脚を下方向に打ち下ろす動作。推進力を生む主要な局面で、股関節から鞭のように打つのが理想的。
- 肩甲骨 (けんこうこつ) scapula
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背中の上部にある三角形の骨。腕を大きく動かすための土台で、可動域が広いとストロークのリーチが伸びる。
- 肩甲骨の可動域 (けんこうこつのかどういき) scapular mobility
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肩甲骨が動ける範囲の広さ。可動域が広いとストロークが大きくなり、肩の故障予防にもつながる。
- 言語化 (げんごか) verbalization
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泳ぎの感覚や動きを言葉にして明確にすること。言語化することで意識的に再現でき、コーチとの共通理解にもつながる。
こ
- 公式タイム (こうしきたいむ) official time
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審判と計時装置によって正式に認められた競技タイム。公認大会では自動計時の記録が公式記録となる。
- 高速水着 (こうそくみずぎ) tech suit
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撥水性・圧縮性に優れた競技用水着。筋肉の振動を抑え、体型を流線形に整える効果がある。
- 公認大会 (こうにんたいかい) certified meet
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都道府県・地域団体が主催し日本マスターズ水泳協会が記録公認のみを行う大会。年間約90大会が開催される。
- 公認プール (こうにんぷーる) certified pool
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日本水泳連盟や国際水泳連盟の規格を満たし、公式記録として認められるプール。寸法や水温などの基準がある。
- 股関節主導 (こかんせつしゅどう) hip-driven
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股関節を起点にして脚全体を動かすキック技術。太ももの大きな筋肉を使えるため力強い推進が得られる。
- 呼吸 (こきゅう) breathing
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泳ぎながら息を吸い吐きする動作。水中でしっかり吐き、顔を上げた瞬間に素早く吸うのが基本。
- 呼吸回数 (こきゅうかいすう) breath count
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一定距離で呼吸する回数を数えること。呼吸の頻度とタイムの関係を分析し、最適な呼吸パターンを見つける。
- 呼吸で沈む (こきゅうでしずむ) sink on breath
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呼吸時に頭が大きく上がって腰や脚が沈んでしまう状態。片目が水中に残るくらいの低い呼吸が改善のポイント。
- 呼吸動作 (こきゅうどうさ) breathing action
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水中で吐いて水上で吸う一連の呼吸の動き。泳法ごとに頭の出し方やタイミングが異なる。
- 呼吸の遅れ (こきゅうのおくれ) late breath
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呼吸のタイミングが遅れてストロークや姿勢が崩れる状態。頭が上がり過ぎて腰が沈む原因になりやすい。
- 国スポ (こくすぽ) National Sports Festival
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国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の水泳競技。都道府県対抗形式で争われる。
- 腰が落ちる (こしがおちる) sunk hips
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背泳ぎで腰が水面より沈んでしまう状態。頭の位置が高過ぎたりキックが弱いと起きやすく、抵抗が大幅に増える。
- 個人競技者登録 (こじんきょうぎしゃとうろく) individual competitor registration
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日本マスターズ水泳協会に選手として登録すること。登録によりアルファベット3桁+数字5桁の選手IDが付与される。
- 個人メドレー (こじんめどれー) individual medley
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バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形の順に1人で泳ぐ種目。200mと400mがあり、全泳法の技術が問われる。
- 小指入水 (こゆびにゅうすい) pinky entry
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背泳ぎで小指側から入水する方法。現在の主流で、肩への負担が少なくスムーズにキャッチへ移行しやすい。
- 暦年齢 (こよみねんれい) calendar age
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マスターズ水泳の年齢区分基準。その年の12月31日時点の満年齢で計算され出場区分が決まる。
- 混合リレー (こんごうりれー) mixed relay
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男女各2名で構成するリレー種目。マスターズでは合算年齢でも区分される唯一のジェンダーミックス形式。
- コース取り (こーすとり) line selection
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最短・最適な進路を選んで泳ぐこと。プールではレーン中央を保ち、OWSではブイや潮流を踏まえてコースを取る。
- コースロープ (こーすろーぷ) lane rope
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レーン間を仕切るロープ。円盤状のフロートが連なり、隣のレーンからの波の影響を軽減する。
- コーチ (こーち) coach
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選手の技術向上や目標達成をサポートする指導者。練習メニューの作成、フォーム指導、メンタルケアなど幅広く関わる。
- コールルーム (こーるるーむ) call room
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レース前に出場選手が集合して点呼を受ける場所。ここで本人確認や水着チェックが行われる。
- ゴーグル (ごーぐる) goggles
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目を水や塩素から保護し、水中の視界を確保するための装備。レース用はコンパクトで抵抗が少ない設計のものが多い。