スイマーズショルダー予防:肩が痛くなる前にできること(研究まとめ)
|
更新履歴(1件)
- — おすすめ動画セクションを削除(サイト方針変更に伴う整理)
結論
肩の痛みは同じ動きの繰り返しによる負担の蓄積で起こります。FACT 系統的レビューでは「確実な単一原因」は特定されていませんが、予防の基本は 練習量を急に増やさない・フォームを整える・少数メニューの陸トレを継続する の3つです。痛くなる前の予防が最も効果的です。
※このページは医療の代わりではありません。痛みが強い・長い場合は医療者へ。OPINION
「肩が痛いけど、泳げるから大丈夫」
これが一番危ないです。OPINION
泳ぎは同じ動きを何千回も繰り返すので、肩はどうしても負担が集まりやすいです。FACT
だからこそ、痛くなる前の予防 がいちばん効きます。
まず知っておきたい:スイマーズショルダーとは?
スイマーズショルダーは病名が1つというより、
泳ぐことで肩が痛くなる状態の総称 です。FACT
だから「正解はこれ!」が一つに決まりにくいのが特徴です。OPINION
研究(系統的レビュー)が言っていること
リスク要因は"中くらいの確からしさ"が多い
系統的レビューでは、肩の痛み・ケガのリスク要因をたくさん集めて評価していますが、
確実(高い確からしさ)と言えるものは少ない とされています。FACT
それでも「中くらいの確からしさ」として挙がりやすいのは、
- 関節のゆるさ・不安定さ
- 肩の内外旋(回しやすさ)の特徴
- 過去に痛めた経験
- 競技レベル(練習量が多い)
などです。FACT
ケガで練習を休む原因としては「フォーム」と「練習量」
別の系統的レビューでは、
フォームが悪いこと と 練習強度・距離が多いこと が、練習を休む原因として多いとまとめられています。FACT
予防の"基本の考え方"は3つ
1) 練習量は「急に増やさない」
肩は筋肉だけでなく、腱や関節の組織も回復に時間がかかります。FACT
休み明け・大会前後・進級後は特に注意。
2) フォームは「痛みが出にくい形」を優先
強くかくほど、痛みがあるときは悪化しやすいです。OPINION
まずは
- 肩に力が入っていないか
- 入水がクロス(顔の前をまたぐ)していないか
- 体が沈んで腕だけで進んでいないか
をチェック。
3) 陸トレは「少数メニューを続ける」
系統的レビューでは、肩の予防として
水外での少ない種目(5個以下)を継続する強化 が良い方向に働く可能性が示されています。FACT
今日からできる:肩の"予防ルーティン"例(5〜8分)
※痛みがある人は無理をしないでください。
- ① チューブ外旋(肘を体の横で) 10回×2
- ② 肩甲骨を寄せる(チューブロー) 10回×2
- ③ Y字で肩甲骨下制(軽い負荷) 8回×2
- ④ 胸(大胸筋)を軽く伸ばす 20秒×2
- ⑤ 仕上げ:肩をすくめず深呼吸 5回
ポイント:"効かせる"より"毎週続ける"。
中学生・高校生に刺さるポイント
- 成長期はフォームが変わりやすいので、痛みのサインが出たら早めに相談。
- パドルは便利だけど、痛みがある時期は負担が増えることがある。OPINION
- 「練習量が正義」になりやすい時期ほど、休む勇気が大事。
マスターズ(大人・高齢)に刺さるポイント
- 回復は若い頃より時間がかかるのが普通。FACT
- だから、陸トレの"少数メニュー"が効きやすい。
- 痛みがある日は、スプリントやパドルを減らし、フォームと姿勢を整える日にする。
FAQ
肩が痛い日は泳いでいい?
痛みの強さと続く期間によります。鋭い痛み・夜も痛い・数週間続くなら医療者へ。
パドルは悪い?
悪ではありません。ただし負荷が増えるので、痛みがある時期はリスクが上がります。
予防ルーティンは週何回?
週2回でも意味があります。大事なのは継続です。
出典一覧
- Hill, L. et al. (2015). "Risk factors for shoulder pain and injury in swimmers: A critical systematic review." Phys Sportsmed. PMID: 26366502. DOI: 10.1080/00913847.2015.1077097
- Gaunt, T. & Maffulli, N. (2012). "Soothing suffering swimmers: a systematic review of musculoskeletal injuries in competitive swimmers." Br Med Bull. PMID: 21893484. DOI: 10.1093/bmb/ldr039
- Tavares, N. et al. (2022). "Effectiveness of Therapeutic Exercise in Musculoskeletal Risk Factors Related to Swimmer's Shoulder." Sports (MDPI). PMID: 35735465
- Struyf, F. et al. (2017). "Musculoskeletal dysfunctions associated with swimmers' shoulder." Br J Sports Med. PMID: 28189997